北と南の「国家」に翻弄された、哀れな男の物語です。
本人に落ち度がないのに、悲劇的な最後です。

北朝鮮の国境で暮らす漁師のチョルは、漁船のスクリューに網が絡まって、
海に流されて、韓国領海に入り込んでしまいます。
もともと国境の海で漁をしていたので、「漂流」というほど長い距離を
流されたわけではなく、冒頭のうちにあっさり、韓国領域に入ってしまいます。


チョルは脱北者ではなく、アクシデントで韓国国内に入ってしまったので、
偶然を装ったスパイではないかと、厳しい取り調べを受けます。
ここで暴力シーンが続くのですが、そんななかで若手の警護役の
ジヌの存在が、チョルだけでなく視聴者にとっても癒しとなります。


チョルは脱北するようにも進められますが、頑固に断り続けて、
めでたく北朝鮮に帰ります。
北は、表向きは歓迎しますが、裏ではこちらも厳しい取り調べ、
チョルがこっそり持ち帰った外貨を取り上げる。
挙句の果てには、チョルの仕事である漁を禁止しました。

ここで、チョルも我慢の限界を超えてやけっぱちな態度に出ます。
そして悲劇的な最後です(みなさんも予想はつくでしょうが)


チョルは家族のために、北でも南でも厳しい取り調べに耐えたのに、
仕事を取り上げられたら、そこでもう、耐えられなくなりました。
やはり人は、仕事のことでプライドを傷つけられたら、もうそこで
頑張れなくなるのだなあ、と思いました。


とにかく、北も南もゲスなやつらがいるんだなあ、という映画でした。




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