製作はオーストラリア、インドとオーストラリア半々が舞台の映画です。

仕事に出かける兄にむりやりついて行った挙句に迷子になり、
ストリートチルドレンを経て、オーストラリアに養子に出された
少年の物語です。

実話だということで、サルー少年は成長してから、グーグルアースなどを使って、
自分の生まれ故郷を探し当て、母と妹に再会することができました。

再会できたこと自体は予想がつくので、ネタバレにならないと思いますが、、、

この映画の見所は、前半はインドの子供たちの貧しい暮らしぶり。
ストリートチルドレンだけでなく、一応親がいる子も
生きていくために大変です。


後半はどうなのかな?
サルー青年が自分の故郷にたどり着く過程を
ミステリー仕立てにしてくれると面白かったのですが、
彼女との痴話喧嘩とか、養母の神秘的な価値観とか、
同じ家に養子にもらわれてきた、義理の兄となった人との不仲とか、
テーマが散漫になっちゃったような気がします。

これもまたよくあるパターンなのですが、
サルーの養母も実母もよくできた人で、
最後は、二人の母親同士も顔合わせしてめでたしめでたしと
なったようです。

サルーはストリートチルドレンにまで追い詰められても、
裕福な夫婦の養子になり、教育も受けられて、
そういう点では、とても運がよい少年だと思いました。
あのまま、実の親のところで成長しても、
はたして、きちんと学校に行けたか、とか
成人するまで生きられたかどうか?という疑問もあります
(貧しいゆえに、病気やちょっとした事故で早死にするとかの可能性も高いですからね)


ネタバレになりますが、サルーが迷子になる原因となった兄は、
まだ未成年のうちに事故死しました。
それも、児童労働をさせられたのが遠因なのです。

サルーは運がいいといっても、
貧しいがゆえに、自分の故郷に帰るのが遅れた少年でもあります。
実の母親が文字が読めないゆえに、行方不明の子供の情報を見ても
気づかない、という、悲しい現実がありました。

最後に、この映画のタイトルの「ライオン」はおそらく、
サルー少年の名前のことをいっているのだろうと予想していましたが、
それについては、一ひねりありましたね(ちょっと悲しい話だけど)










25年目の「ただいま」
サルー・ブライアリー
静山社
2015-09-18



LION/ライオン ~25年目のただいま~ [DVD]
デヴ・パテル
ギャガ
2018-10-05





ロシア(海外生活・情報) ブログランキングへ



海外映画ランキング